父娘の湯巡り日記　黒部編－２

欅平から先は登山道となるのでほとんどの人はここでとんぼ返り。来た人帰る人で溢れんばかりの中、我々はリュック背負って登山着で民族が違う人みたい。

駅の眼下にある欅平温泉にちょっと寄り道。
露天から随分と下に黒部川が見え、随分と上に山がそびえてる。お気軽に入れる所だからかな、次から次と人が入れ替わり立ち替わり。
お湯は祖母谷(ばばだに)地獄からの引湯。
欅平温泉猿飛山荘 0765-62-1004 8:47-17:25列車時刻 \700/400

宿の車が迎えに来てくれるので駅に戻ってお約束の電話を入れる。
おや？駅の案内板は名剣温泉と祖母谷温泉は休業中。
変だな、今電話したらどっちも営業してるのに。

白馬方面に行く赤い橋のロープで待ち合わせて行ってみると工事中・通行止と書いてある。
関係者と登山者以外は立入禁止。んー、この分け方は観光客排除だな。

迎えに来た車にナンバープレートがないぞ。飛び地のここは公道じゃないんだ。
車検が無いということは自賠責にも入ってないってことで、うわぁ、轢かれたら大変だぁ。

人喰岩と呼ぶコの字の岩の先で浮き石落としの残骸がいっぱい。なるほど、お気軽な気分で観光客がロープを潜らないようにするには休業中と案内する方が手っ取り早いらしい。

途中の名剣温泉に無理言って寄せて貰う。車だと３分。
堰から轟々と落ちるのが見える木立の中の露天は健在。
独自の源泉だったが平成７年の集中豪雨で源泉が埋まってしまい、今は祖母谷地獄からの引湯。
名剣温泉 0765-52-1355 10:00-14:00 \700/500

車で更に３分で今宵のお宿、祖母谷温泉へお二人様ご案内ー！
通された部屋は６畳間で貸し切り。おお！ふとんは銘々にふかふかだぁ。
山小屋としては最高の持て成しであります。
一休みとみんなで枕を出して横になったら気持ちいい！
おっと眠むっちゃった。ほー、二人も熟睡中。
そっと出て、良く冷えたビールを買って露天へ。山小屋で400円は破格。
で、でかいなぁ。以前は混浴だったという大きな露天に誰もいない。お湯加減も丁度いい。
ビールを頂きます。うー、美味い！何て贅沢なことしてるんだろう。

山深いここでは豪華な心のこもる夕飯はどれも美味しい。この夜宴に集まったお客は３組。トレッキングツアーの10人と白馬から登山道を整備して来た猛者４人。

二人が露天に行き私は内湯へ。内湯は一つで入口に男性・女性と表裏の札があって、中立になっていたのを男性側にして入浴。
ドバドバ出てる源泉に恐る恐る触ったら何と熱いこと。火傷するぞ。「水を止めないで下さい」という板きれに納得。
飾り気のない風呂だけど至って清潔。この風呂は落ち着くなぁ。

涼みがてら外に出て感激。星が満天に輝いていて雲一つない。天気予報が明朝から雨だっただけに驚いてしまう。
露天から出てきた二人としばし寝ころんで星空鑑賞。
娘「あれがオリオン座だよ」。へー、いつの間に覚えたんだろ。

ひとしきりUNOを楽しんだので、みんなで内湯へ行こう！
通りかかった女将さんに家族で入って良いかと尋ねたら女将さんは風呂の入口に我々を連れて行き、もう一枚の札があると教えてくれる。
「家族使用中」。何てありがたいことなんだろう。参りました！
カミさん「やったぁ」、娘「おぉ！」。

たまげるほど綺麗な月を眺めて就寝。
ふかふかのふとんに陽の香りがするぞぉ。
祖母谷温泉(ばばだに) 0765-62-1038 \8400/8400 \500/250